型枠工事について
1.打ち合わせ
まず なんといっても仕事は打ち合わせからです。 型枠工事の難しいところは、全く同じ建物と同じ条件の仕事がないということです。
ここでは各現場ごとの工事の方法、工事の日程などを決めていきます。
職人さんは昼間は現場に出ているので夕方に打ち合わせをすることが多いですね。
なので 夜はそのまま食事がてら飲みに行くこともよくあります。職人さんはお酒の強い人が多い気がします。
2.加工図作成
さて次は図面を元にした型枠を組み立てる為の加工図を作成します。 ここでの仕事が後の現場での作業に大きく影響するので非常に重要な仕事になります。
昔は1枚1枚手で書いて作りましたけど、最近ではCADのソフトを使って作成することが多いです。
便利になりました。
3.型枠の加工
次は型枠の加工です。 先程作成した加工図を元にベニア・サンギを釘でとめて丸ノコで切断していきます。
職人さんの腰についているのが釘袋です。
釘袋には、ハンマー・バール・スケール・安全帯・墨壺等が付いています。釘も今ではほとんど手で打つことはありません。鉄砲という道具を使ってエアーで打ち込みます。
本当に便利になりました。
4.墨だし
いよいよ現場です。 レベル・トランシットといった測量器具を使って建物の基準線を決めていきます。
ここで出した墨(基準線)に後々型枠を建てていきます。
雨が降ったり濡れたりしていると、コンクリートに墨が付かないので晴れた日に行います。
天気が気になるところですね。
5.型枠の運搬
次はちょっと変わってトラックの運転手さんの仕事になります。 型枠は形が不揃いの物が多いので、上手に積むにはテクニックと経験が必要になります。
現場で使う順番を考えて運んでいくので、職人さんとの打ち合わせが大切になります。
最近はガソリン代も上がったので、少しでも効率良くやるように心掛けています。
6.柱建て込み
やっと現場での職人さんの出番です。 まずは、先程出した基準になる墨に柱を立てていきます。
セパレーターとクイックタイという金物を使って型枠を締め付けます。
脚立に登っての作業が多いので、転落しないように安全帯を使用したりします。
7.梁架け
先程建てた柱に梁を架けていきます。 下で組んだ梁をクレーン車で持ち上げて柱の穴の開いているところにはめ込んでいきます。
ピタッと収まっていくと本当に気持ちの良い仕事です。
8.壁の建て込み
梁を架けていったら次は壁の建て込みです。 ここではパネルという決まった寸法の型枠を使っていきます。
少しでも効率よくやっていく為の工夫ですね。
最近はベニア・サンギ等の材料代も上がったのでいろいろ考えてやっています。
9.スラブ(天井・床)貼り
いよいよ最終段階にきました。 スラブ貼りです。このスラブを貼ったら鉄筋業者さんがスラブ上に鉄筋を組んでいきます。
いつもより少し高いところで景色が見られるので気持ち良いですよ。
10.コンクリート打設
やっときましたよ。コンクリート打ちが! 型枠大工が腕によりをかけて作った建物にコンクリートが流されていきます。
この為に仕事をしているんですね。
コンクリート打ちの日にはたくさんの職種の人たちが現場にやってきます。打ち合わせをしながら良いコンクリートを打てるように進めていきます。
11.型枠の解体
次でやっと解体業者さんの出番になります。 コンクリートの養生期間をおいてから大きなバールを使って解体していきます。
コンクリートの表面をキズ付けないように解体するので、テクニックのいる仕事ですね。
せっかく組んだ型枠が解体されていくので、ちょっと寂しいですね。
12.解体後
解体が終わると次は仕上げの業者さんが入ってきます。 ここまで来ると型枠大工の仕事は終わりで、後は持ってきた材料を引き上げるだけですね。
型枠の仕上がりが後の業者さんに影響するのでとても気を使います。
13.建物完成
随分省略しましたがとりあえず建物完成です。 一生懸命やった仕事が形に残るので、みんなやりがいを感じてやっています。
少しでも興味を持てたら一緒に仕事をしてみませんか!!